2026/10/09 18:00
Answer to Remember、SMTKといった自身のプロジェクトも展開しながら、MILLENNIUM PARADE、くるり、椎名林檎、星野源など数々のアーティストのバンドメンバーとしても活躍する石若駿。国内外問わず各地を飛び回り、"日本一忙しいドラマー"ともいわれる音楽家が、徒然なるままに綴る連載、ついに完結。
7/11
憧れの【ノースシー・ジャズ・フェスティバル】に向かいます。朝からわたしは緊張しています。トモキ・サンダースのステージに参加することになったからです。
8時25分の電車に乗り、パリの中央駅に着いて、もうすでにここからミュージシャンらしき人たちがホームにちらほらといます。11時過ぎにロッテルダムへ着きました。すごくきれいでいろんなところに新しさが溢れている印象です。ひとまずホテルへ荷物を置きに。自分で暗証番号を決めてロックをかける系のロッカーに、シンバルとスーツケースを入れるが、みんなで苦戦! フロントのお兄さんに助けを求めて解決。
ランチしにOude Westenというエリアまで歩く途中、レコード屋さんが2つありました。土曜日ということもあり、お客さんが多く盛り上がってます。最初に行った方は、Rock系中古、新作が豊富でした。次に行った方は、さっきのお店より広く、2階がJazzコーナー充実系でした。中古CDもたくさんあって、青春を思い出しました (我が家の中古Jazz CDの数もハンパないですぜ)。なんだかこの2軒目のレコ屋で、3人とも夢中になってディグって長居してしまいました。ろーそーろーそーますかいき!という掛け声のもと店を出て、すごく良さげなイタリアンレストランに入りました。スパイスとくるみとチーズのクリーム系のパスタを頼み、ほっぺた落ちました。小一時間ほどランチを楽しんで、いよいよ会場へ。Zuidpleinというエリアへトラムを乗り継いで向かいます。到着すると、フェスに向かう人の数がすごいことになってます。さすが、世界最大級のジャズフェスと言われているだけあります。オランダのロッテルダムにある大規模な屋内競技場、アホイ・ロッテルダムにどデカくJAZZと書いてあります。メインゲートに向かう途中にも、バスキング的なバンドもちらほらと。ようやく到着して会場入りします。まずビールをゲットしようと屋外のフードコートで探していると、なんとさっきパリから一緒の新幹線に乗ったミュージシャンたちがギンギンにスイングしています。彼らは、ニュー・ジャズ・アンダーグラウンドというコードレスサックストリオ。ジュリアード音楽院出身の3人で、サックスのアブディアス・アールメンテロス、ベースのセバスチャン・リオス、そしてドラムのティージェイ・レディックです。サックスのアブディアスはジャズ・アット・リンカーン・センター・オーケストラでも吹いてますね。このトリオはハードにスイングする曲もあれば、MacBookからビートを出しながら同期と共に演奏することもあって、新世代だなーと思いました。めちゃよかったです。ビールを飲んで、ロンドンのシンガー、ジョイ・クロックスも少し観てうろうろしていたら、ついにトモキ・サンダース御一行に遭遇! バンドメンバーとトモキのマネージャーにもワッツアップできてひと盛り上がり。もうすぐサウンドチェックなので、関係者受付にパスをゲットしに行きます。トモキたちのステージに向かうと、単音チェックが始まってました。お客さんももうわりと集まってますね。ステージ上からトモキに名前をコールされて、一旦モニターチェック。ドラムのクリスチャンのセットに座ると、トモキのオリジナル曲のリハがそのままスタート。いろいろチェックして、いよいよ本番です。舞台袖で円陣組んで祈って、みんなはステージへ。わたしは一度客席へ。トモキのリーダー姿に感動していると、シャバカもシットイン。横笛の音楽、とても美しかった。その次の曲で、トモキに「日本の危険ドラマー、シュン・イシワカ!」とコールされステージへ。用意していた曲が始まり、自分もハイテンションで演奏して、みんなの音量もかなり上がっていった。ソロも各々回してトモキもアツい! そろそろテーマに戻って終わるかなと思いきや、トモキから急にドラムソロのサインが来ました。オッケー!と思って張り切ったら、それまでのハイテンションバッキングのせいで腕がもう動かないところまできていました。なんとかブワーと演奏して、曲も終わり、舞台袖に帰ると、そこには昨年ハービー・ハンコックと共演したときのドラマー、ジェイレン・ペティノーがおりました。残りのトモキの曲を一緒に観て、ステージが終演すると、ラヴィ・コルトレーンとアイザイア・コリアーがさらに奥の袖にいるではないか! トモキの計らいでご挨拶できました。みんなで撮った写真は家宝です。
それからみんなと別れて、サンダーキャットのステージへ。いつも通り超絶でした。ジャスティン・ブラウンもいつも通りヤバすぎた。その後はビル・フリゼール・トリオ&グレゴリー・タルディのステージに移動。ルディ・ロイストンのピアニッシモのドラムソロがめちゃくちゃ良かった。からの、レッチリのフリーのステージへ移動。フリーがトランペットを吹くバンド。人間ドラマだった! VJはサイケすぎた! ジョシュ・ジョンソンとジェフ・パーカーかっこよかった! うろうろしていたらジャスティン・ブラウンに会えた。2年ぶりだろうか、前に君島大空合奏形態を観に来てくれてハングしたぶりでした。近況ワッツアップして、次はパット・メセニーがゲストでオーケストラと共演するステージへ。知ってる曲が超絶アレンジされていました。ここで叩いているドラマー、ジェイミー・ピートとギタリストのテイズ・セメイが輝いていた。そろそろ夜になったところで、パーカッションの小川慶太さんと、ベースの中村恭士さんと合流。ノースシーで会えるのが嬉しかったー!! 最後に、この3人でクリスチャン・マクブライドとケニー・バロン、そしてジュリアン・ラージのトリオを観に行って、ホテルに帰りました。ものすごく刺激的な一日でした。これでもうだいぶ先々まで頑張れるようなエネルギー量でした。
7/12
マリア・シュナイダーとスペインのオーケストラからこの日はスタート。20年くらい前の青春の曲もやっていました。その後はジョエル・ロスが参加する、昨日のパット・メセニーのオケのドラマー、ジェイミー・ピートのリーダーバンドでした。タイムモジュレーションが気持ちいい曲がありましたな。ジョエルの演奏もすごかった。そしてパットの最近のバンド、Side-Eye lll+を観に! ドラムのジョー・ダイソンと鍵盤にクリス・フィッシュマンが。ジョーといえば、2009年くらいにバークリー音楽院で大林武司くんのリサイタルで叩いてる動画があって、打ちのめされたのを覚えてますな。パットの現在を浴びました。それからセシル・マクロリン・サルヴァントのメトロポール・オーケストラとのステージを観に。圧巻でした。ヤスシ・ナカムラ兄貴の佇まいもなまらかっこよかった。ピアノはもちろんサリヴァン・フォートナーでした。からの、ジェラルド、ハリッシュ、クウェクからなるチャールス・ロイド・カルテット!!!!! チャールズ・ロイドを生で観たのは初めてでした。自分が青春時代、ECM Recordsから出てたアルバムの中からの曲もあり嬉しかった。ディープでした。それからまた移動して、メイ・シモネスを少し観て、(上原)ひろみさんのステージへ!! ものすごいお客さんの数、熱量があってめちゃめちゃ盛り上がってます! ひろみさんの人気を改めて肌で感じました。ここにいる日本人観客としてとても誇らしい気分でした…… トランペットのアダムの超絶なソロもみんなのハートを鷲掴んでました。それからクリス・デイヴィス・トリオへ。ずっと観てみたかったトリオです。客席真ん中の方に須川さんの姿が。とても斬新な曲の数々でした。ひとつひとつトリックがすごくてだんだん種明かしされるような。そして人間に戻っていくような。それから最後は、テレンス・ブランチャードとラヴィ・コルトレーンのマイルスとコルトレーンのトリビュートのプロジェクトのステージへ。こちらもよく知っているスタンダードが巧妙にアレンジされていました。ドラムのジェイレンも気持ちよくぶっ叩きまくっていて良かった! 終わって、ひろみさんと少し会場でワッツアップできました。ワインを振る舞ってくれました。ドラムのジーン・コイにも初めてお会いできました。そろそろ終電でホテルへ。こうして、わたしの初めて【ノースシー・ジャズ・フェスティバル】は心に刻まれました。ありがとうノースシー!
7/13
さて、スキポール空港からまた南のフランス、ニースまで移動です。朝早くに出て、ニース空港に11時半には着陸しました。空港には[ジャズ・ア・ジュアン]のスタッフさんが迎えに来てくださり、車で40分くらい、Antibesの方へ。もう天気良すぎて、海沿いすぎて、海水浴のお客が楽しそう! リゾート地すぎて、もう脳みそがトロけてきます。ランチ探しがてら、会場の方へ行くと、ジャズの殿堂入りのように数々のレジェンドの手形が地面に連なっています。エルヴィン・ジョーンズやロイ・ヘインズ……みんないました。さて、今日はオフですのでBanksia Trio & 八島さんで、ルネッサンス乾杯をする日です。それはそれは最高でした。夜に会場に行くと、レジェンド、SEALが歌っていました。
7/14
このツアーの最終公演です。ヨーロッパ最古のジャズフェスティバルで、今年65周年を迎える【ジャズ・ア・ジュアン】に出演します。地中海バックなロケーションは本当に最高です。あ! コルトレーンの『A Love Supreme』のライブ盤の場所です! みんなで海鮮系の素晴らしいランチを終えて、サウンドチェックへ。トップバッターなので、あっというまに本番。演奏はこのロケーションのパワーもありとても良いものになったと思います。最高でした。須川さんとわたしも度々共演するフランス在住のフランチェスカ・ハンも応援にかけつけてくれて再会を喜び合いました! 夜には独立記念日の花火が浜辺で上がりました。街中は人がとても多くて祝福で満たされているのと同時に、警備員などセキュリティーが厳重で、緊張感のある雰囲気です。花火の数が物凄く多くて、近くて、長くて! 終わったと思えば、少し離れたところでもまた始まったり、数年分くらいの打ち上げ花火を浴びました。こうしてヨーロッパの旅は終わりを迎えました。こんなに素晴らしいBanksiaツアーができたのも、エイトアイランズ八島さんのおかげです。心より感謝申し上げます。ありがとうございました!
7/15
林さんと共に、早朝にホテルを出て、ミュンヘン経由で羽田です!
7/16
羽田着! 明日から、石若駿Songbook Projectのツアーです!!
つづく!?
◎公演情報
【京都音楽博覧会2026】
2026年10月10日(土)- 10月11日(日)京都・京都梅小路公園 芝生広場
【Francesca Han 'Japan' Trio『SISYPHUS』CDリリースライブ】
2026年10月13日(火)東京・新宿PITINN
【石若駿トリオ ホールツアー 2026+27 featuring 高橋佑成 & Marty Holoubek Guest 馬場智章】
2026年10月17日(土)茨城・取手市民会館
2026年10月18日(日)新潟・りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
【石若 駿 3DAYS 6公演 2026】
2026年10月23日(金)- 10月25日(日)東京・新宿PITINN
【細井徳太郎 A.N.D】
2026年10月27日(火)東京・新宿PITINN
※この記事は、2026年10月1日発行のフリーペーパー『bbl MAGAZINE vol.223 11月号』内の特集を転載しております。記事はHH cross LIBRARYからもご覧いただけます。
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